今年はずっと涼しい日が続いていたので、夏休みは天気の良い南の国のリゾートに行きたくなってきた。そこでギリシアやトルコなどの地中海の国々を中心に行き先を考えることにする。そこでフランス料理、ワイン好きのオラニエ夫人から、「チュニジアは暖かいし、旧フランス領で食事も美味しいかもしれない。」とのプッシュあり。アフリカ大陸にあるというのも興味をそそられ、早速行くことに決めた。

ポート・エル・カンタウイ(Port El Kantaoui)へ向けて出発

空港からホテルまでの送迎はパッケージに含まれている。旅行会社の係員の案内で空港を出るとそこはムゥッとしたアフリカの湿気もムンムンの熱帯夜だった。ここは夜でもまだ30度近くはあるのではないか。送迎のタクシーに近づくとまた別の係員が現れて荷物を運んでくれた、と思ったらそれは観光客狙いの一般人で、我々がタクシーに乗ろうとするや否やチップを要求して来た。両替もしていないので渡す金も無い、と言っても英語も通じないようなので、「No Money」と身振りを交えて振り切る。エジプトもそうだったが、ここでは親切の押し売り的な商売がごく普通に行われていることを再認識。悪意は無いのだが今後も注意せねば。

第一日 : 8月11日(土) チュニジアへの移動

リゾート滞在型の旅行は快適なホテルに泊まることが命、とは言っても超豪華ホテルに泊まるのは予算オーバー。オラニエ公の好きな遺跡巡りをするのにも便利な所はないかと色々と探してみると、ポート・エル・カンタウイ(Port El Kantaoui)というチュニジア中部のリゾート地が良さそうである。Wigmore Holidays & Travelというチュニジア専門の旅行会社のパンフレット見て、更にクチコミ情報サイトなどを調べた結果、HASDRUBAL THALASSA & Spaという4つ星ホテルが良さそうだったので出発の約2週間前になって予約。何とかフライトもホテルも抑えることが出来たようで、目出度く出発だ。

チュニジア航空でチュニス・カルタゴ空港に到着

旅程表

出発当日はまさにホリデイシーズン真っ盛りで、空港はバカンス客で大賑わい。チュニジア航空の取り扱いカウンターを見つけるとそこにも長蛇の列。一時間近くも待った後でようやくチェックイン。早めに家を出ておいてよかった。係員が何やら2人の席が離れてしまうようなことを話していたが、それを回避したお陰で座席はビジネスクラスにアップグレード。中々幸先の良いスタートだ。離陸後、機内食が出たが期待以上のレベルで、昔乗ったエジプト航空のそれよりもよっぽど美味しく、完食してしまった。

飛行機はやがてチュニス・カルタゴ国際空港に到着。わずか3時間のフライトでもうアフリカの大地に足を下ろしているとは楽で助かる。

夜中でも賑わうポート・エル・カンタウイに到着

車を1時間半ほど走らせると、ようやくポート・エル・カンタウイ(Port El Kantaoui)が近づいて来た。すでに夜の11時半を回った時間だが、何やら人の歓声が聞こえてくる。驚いたことに沢山の家族連れがこの夜中に町を歩いている。通りの向こうには遊園地がまだ営業中でお客さんも沢山いて、その周りは車の渋滞。今日は土曜日だということはわかるが、この深夜の騒ぎは何なのだろうかと思ったが、運ちゃんからは明日は休みだからという説明しかない。後でわかったのだが、日中は日差しが強くてとても暑いので、子供達を含めてみんな涼しくなった夕方から活動を始めるのだ。

ここはアフリカ

タクシーの運ちゃんは英語で話しかけてきたが、彼はアラビア語と学校で習ったフランス語のほか、英語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語などもタクシーの中で習得したというから驚きだ。また「隣の運転マナーの悪い車はリビアから来ている。」と教えられると、ここはアルジェリアとリビアという厄介な隣人に囲まれたアフリカの国であることを改めて実感した。

ホテルに到着した頃にはもう日付が変わろうとしていた。入った瞬間に強力な冷房がジーンと効いてくる。まずチェックイン後にフロンでト両替を済ませてから部屋に移る。これでポーターへのチップもOK。表は暗くてよく分からないが、部屋はブルーを基調にした良い感じだ。長時間の移動で疲れたので、今日はすぐに休むことにしよう。