第四日 : 8月11日(木) プリトヴィツェ湖群国立公園への小旅行

プリトヴィツェ国湖群公園への路

歩くところも普通のハイキング道だったり、日光の戦場ヶ原のように木の板で道路が作られていたりする。湖や滝、更にその間の清流の流れはとても綺麗でかつそれぞれ変化に富んでいるので、見る者を飽きさせない。更に天候も回復して気持ちの良いハイキングを楽しむことが出来た。今までの夏の旅行でのハイキングというと、昨年のノルウェーでのプレーケストレーンへの登山をはじめ、スイス・アルプス、イギリスでの湖水地方と思い出されるが、やはり大自然の中で歩くことは、いつもとても気持ちが良い体験だ。

ここで結局約3時間程歩いてホテルに戻る。今日は朝4時過ぎから起きて7時間掛けて移動し、更に3時間以上も歩き続けた。さすがに疲れた長ーい一日だった。予め予想はしていたことだが、どこがバカンス休暇なのか段々わからなくなって来た。

クロアチアにはドブロヴニク旧市街地の他にも幾つかの世界遺産がある。折角クロアチアに行くのだから、ということで「「プリトヴィツェ湖群国立公園」という所にまで足を運ぶことにした。ここはとっても湖が綺麗で良いところらしい。但し同じクロアチア国内とはいえドブロヴニクからは遠いので、飛行機とバスを使っての1泊2日の小旅行になった。

ドブロヴニクとプリトヴィツェ湖群国立公園の位置関係はこちらのページを参照して欲しいが、まずは飛行機でクロアチアの首都ザグレブに飛び、そこからローカルのバスで約110Km南に下ってようやく着くことになる。早朝4:20に目覚ましをセットして5時にタクシーで空港に出発した。こんなに朝早く起きて出掛けるのはほとんど記憶がない。折角リゾートでのんびりしようとしていたオラニエ夫人は少々不満そうではあったが、ここはじっと我慢してもらうしかない。ドブロヴニクの空港までは結構距離があって、250クーナ(約5,000円弱)も掛かってしまった。

飛行機は定刻通りで問題なかったが、ザグレブの空港からは自力でバスを乗り継いで行かなければならない。まずは空港発ザグレブ･バスターミナル行きのシャトルバス（片道約30分）を待った。プリトヴィッツェ行きのバスは8:40にザグレブ・バスターミナルを出るはずなので(その次は11時以降)、タクシーに乗って先を急ぎたかったが、また250クーナ掛かるのでここはじっと30分ほど待つ。25クーナ(約500円弱)で済むバスに乗ったが、ザグレブ市内で渋滞に巻き込まれて到着した頃にはもう8:40を回った頃だった。バスターミナルの中を慌てて走り回って目指すバスを探して、ようやく滑り込みセーフだ。

この国立公園は大小16の湖と92ヶ所の滝からなり、年間約80万人もの観光客が来るそうだ。雨を気にしながら入口までいくと、家族連れを中心にやはり沢山の人が来ている。でもホテルは今泊まっているジェゼロ（「湖」の意味）と他数軒に過ぎない。みんなはキャンプしたり車で来て日帰りするのだろうか。

2日券を入口で購入して急な坂道を降りて行くと船着場に出る。インフォメーションから2日間での歩き方を教わった通り、まずは船で対岸に渡り、そこから湖群に沿って上流の方に歩き続ける。まず初めに清流の綺麗さに驚いた。ニジマスの仲間の魚が無数に泳ぎ回っているが、湖の水が透明なのでよーく見える。この澄んだ水はどうして濁らないのだろうか。ガイドブックによると湖の底から石灰岩層が削られて流され、それがある場所で堆積して滝を形成し、水は次の湖に流れ落ちるということが繰り返されているそうだ。

この国のバスは空港のシャトルバスもそうだが、基本的には乗ってから運転手あるいは車掌が集金するシステムになっている。こののどかなシステムは昔の共産主義時代の名残かもしれない。また路線バスといってもそれらしく統一された色に塗られているのではなく、普通のちょっと古めの観光バスがそのまま使われているという感じだ。

オラニエ公の乗ったバスも二階建ての観光バスで、旅行者でほぼ満員だった。プリトヴィツェまでは片道3時間と聞いているが、そこに近づくにつれて山あいの坂道になって、バスのスピードがどんどん落ちる。でも結局2時間半ほどで到着した。

まずは宿泊先のHotel Jezeroまで歩いてチェックイン。もう正午近くだったので、ドブロヴニクの出発から7時間近く掛かった訳である。ロッジの外観を持つこのホテルだが、雰囲気が何だか日本の温泉にある国民宿舎を思わせる。

プリトヴィツェ湖群国立公園・第一日