第四日 : 4月22日(月・祝) アムステルダムへと戻る

Radisson SAS アストリヤ ホテル

オラニエ公一行が宿泊したのは、ヴィリニュス旧市街にある「Raddison SAS アストリヤ・ホテル」である｡さすがに北欧系資本の入ったホテルだけあって、高い天井やセンスの良い内装、美味しい食事と快適な滞在を楽しむことが出来た。確か旧ソ連時代には「インツーリスト」という国営旅行社の経営する外国人専用ホテルにしか観光客は泊まれなかったはずだ｡しかもこれらのホテルには盗聴器が仕掛けられまくっていたらしい｡今はもうリトアニアも独立してから10年も経ったので、少しずつ西側の資本が入ってこのようなホテルも増えて、欧州の国への仲間入りをしようとしている｡そういえばここにはジョージ・ブッシュ大統領夫妻も泊まったことがあるようで、その記念写真が掲げられていた｡それからも分かる様に、ここはヴィリニュスではNO.1のグレードなのかもしれない。

今日のフライトは午前中なので､完全に移動日である｡チェックアウトしてからタクシーに乗って空港へ向かうが､どうも車の調子が良くないらしい｡何とか空港までたどり着いたが､出発ロビーのある2階までのスロープを上がる途中で完全にストップしてしまった｡エンジンを掛け直そうとしても、どうしても掛からない｡その先はまだ数百メートルあったのだが、この運転手さんは親切にも重たい荷物を持って一緒にロビーまで来てくれた｡最後までこの国の人の親切心に助けられた旅行だったが､後から思うと止まったのは車が空港に着いてからで本当に良かった｡もし途中の何でもないところだったら、下手したら乗り遅れて翌日の便まで待たなければいけなかったかもしれない｡

空港ではオラニエ公が最後のお土産として「Lietva(リトアニアの現地での正式名称)」のマグカップを購入した｡この空港に着いたときは、一体このほとんど日本人の観光客も訪れない国で、無事に数日を過ごせるのかなと心配だったが､幸いなことにそれは杞憂で終わっただｊけでなく、その滞在を十分楽しむことが出来た｡4日間とも快晴に恵まれたことも、とても有り難かった。

2時間半のフライトの後到着したアムステルダムも快晴で、スキポール空港前の花壇にはチューリップの花が沢山咲いていた。やはり遠い国からオランダに到着すると何だか安心する｡この安心感はもう日本である必要はないようだ。今はオランダが世界に誇るチューリップの季節だが、リトアニアではこのようなカラフルな色はあまり印象に残ってない。だがまだ素朴なヨーロッパの国を体験できてとても良かったと思う｡また後で写真を見て気が付いたのだが､リトアニアではどこでも人通りが非常に少ない。それは少ない人口(約350万人)のせいもあるだろうが、まだ本当の意味での西欧化・都市化が始まっていないのかもしれない｡ということはあと例えば10年後にもう一度リトアニアに行ったら、そこはもう普通のヨーロッパの都市や国になっているのかもしれない｡その意味でも今回行ってこられたことは貴重な体験だったと思う｡

リトアニアの治安

リトアニアという国にはまだそれ程日本からの観光客も来ていないので、事前の情報もそれ程入手できず、特に治安については大きな心配事だった。特に「スキンヘッドのネオナチに殴られるので要注意」などという情報を入手していた｡そのためここでスキンヘッドっぽい人を見るだけで「あれはネオナチか？」と疑って掛かるような感じだったが､幸いなことにこの滞在期間中その意味での危ない目には一度も遭遇しなかった｡独立後の混乱期を経て今は社会的にもすこしづつ安定する方向に向かっているのであろう｡

空港への移動

アムステルダムへ