第一日 : 8月11日(水) マルタ島のリゾート・ホテルへ

今回の旅行はオランダの旅行会社 Oad Reizen のパッケージツアーを申し込んだ。申し込みがかなり遅かったので、良さそうなホテル（とは言っても4つ星だが）はバカンス・シーズンでもあり既に満杯だった。そして最後の段階で旅行会社から「5つ星か3つ星」という選択を迫られ、小市民のオラニエ公は迷わず(?)3つ星のHotel La Vallette という所を選択した。このチョイスが後々問題になるのだが、出発する前にはそんなことも知る由もなく、最近入手したばかりのガイドブック｢○○の歩き方・南イタリアとマルタ」に目を通しながら、Air Maltaの直行便でマルタ島を目指した。

部屋からの眺めはは一応オーシャン・ビューである(上の写真参照)。後で判ったのだが、正面のピンク色の建物は The Westin Gragona Resort つまりウェスティン・ホテルで勿論5つ星。日本人観光客が出入りしているのがここからでも見える。この落差に落ち込んでもいられないという訳ではないが、まずは中庭のプールサイドに行って日光浴をした。回りはこのホテルの宿泊客が多いのだろうが、若者や子供連れが多いせいか喧しく、あまりくつろぐことは出来なかった。

マルタ国際空港でのパスポート・コントロールでは、EU圏内のパスポート所持者はそれを提示するだけでOKなのに、それ以外は「入国カード」を書かなければならないことに気付く。アムステルダムから一緒に乗ってきた人たちのほとんどはサッサとゲートから出て行ったのに、中近東から来たと思われる一行と一緒にかなり長い時間待たされた挙句ようやく入国できた。Oad Reizenの手配した車でホテルまでの送迎サービスが着いているのだが、一緒に行く何人かのオランダ人を待たせる格好になってしまった。この入国審査のパターンは旧宗主国のイギリスと同じである。

ホテルがあるのはサン･ジュリアン(St. Julian)という繁華街で、大き目のリゾートホテルであるHotel La Vallette に到着。ホテルの外からもう気が付いたのだが、部屋の窓が結構開けられている。ということはこのホテルには「冷房がない」ということだ。部屋の中には大きな扇風機が東南アジアのように天井から下がっていて、それがブンブン回っているのが見える。ガイドブックに「3つ星ホテルは冷房がないことが多い」って書いてあったのに気が付いたのは、ここに来る途中だった。そのときの悪い予感が早くも的中してしまった訳だ。
気を取り直してチェックインしたが、フロントの接客レベルも低そうだし、エレベーターも4台あるようだが果たしてどれが本当に動いているのかわからずなかなか来ない。ようやく部屋に着いたがドアを開けた瞬間にもう扇風機が目に入った。ベッドも安そうだし、シャワーの勢いも弱弱しい。オラニエ公としてかなりガッカリだが、リゾートでのんびりしたがっていたオラニエ夫人はもっとかな？

折角リゾートに来たのだから少しはリッチな気分を楽しもうということで、食事がてらの散歩に出掛けることにする。このサン・ジュリアン地区はマルタ島一の繁華街で、とにかく人が沢山いる。この界隈で特に高級ホテルで有名なのがヒルトンだとのことなのでそこに向かう。約10分弱歩いて到着したが、いやはや今泊まっているホテルとは何と違うことか。普通にホテルが一軒立っているだけではなく、それを取り巻いて高級リゾート・アパートが並び、海に沿う形でプールが幾つもあって、その海にはクルーザーが数多く係留されている。まさにリッチなリゾートライフがそこにはあった。左の写真はそのヨットハーバーからスリーマ(Sliema)という街を望んだもので、綺麗な海が広がっている。ホテルの入り口近くに日本食のレストランが一軒あることをチェック。これは後日食べに行くことにする。今日は移動で疲れてもいたので、ホテル近くのイタリア料理の小さなレストランで軽く済ませる。ここはイタリアに近いだけあって、安くて美味しいイタリアンレストランが沢山あるようだ。

今年の夏の旅行はもう既に先月ノルウェーに行って来たが、あそこは涼しくて今ひとつ夏をエンジョイというには物足りなさが残った。そこでオラニエ夫人からの強いリクエストもあり、オラニエ公としては初の純粋なリゾートの旅に出掛けることにした。とは言ってもヨーロッパのリゾート地のほとんどは7泊8日が最短のパッケージになっているので、今更1週間の休みを取って行く訳には行かない。そこで気軽にショートステイできそうな場所としてマルタ島を選び、日本の「お盆休み」の期間に合わせて行って来た。

【解説：マルタ共和国】
地中海の「へそ」、シチリア島の南に位置する島国。面積は316平方Kmで淡路島の約半分。国の人口は約37万人で首都はヴァレッタ。中世にはヨハネ騎士団の本拠地として、オスマン・トルコに対する防衛拠点として重要な役割を果たす。1800年以降イギリスの統治が続き、1964年に独立。

マルタ島へ

Hotel La Vallette

ヒルトン・ホテル

部屋に戻って休もうと思ったが、何だか表がやかましい。中庭を見るとそこにはステージが設けられて女の歌手が大声で歌っている。フロントに確認したら、それは夜中の12時半過ぎまで続き、また毎日やっているとのこと。これから毎晩こんなにうるさいのか、とオラニエ公はまた寂しい気持ちになって眠れぬ夜を過ごしたのであった。